会員へのお知らせ

令和7年度 学術集会の開催を終えて

 

 2025年度の学術集会と総会は9月12日(金)に、東洋大学白山キャンパス2号館スカイホールにて、対面で開催されました。大変な猛暑の中でしたが、参加された皆様には最新の食品分析に関する有意義な情報交換になったことと存じます。今年度の参加者は総数61名で会員43名と非会員18名でした。特別講演は静岡県立大学の熊澤 茂則先生にお願いし、未利用植物資源に含まれる機能性成分の解析について講演いただきました。若手会員によるシンポジウム「食品分析学の将来を考える」では、京都大学の淺井 智子先生がLC-MS/MSによるペプチド等の網羅解析について、日本大学の大槻 崇先生はシングルリファレンスLC法による食品成分分析について、佐賀大学の宗 伸明先生は酵素内包型多糖ゲルを活用した新規分析法などについて発表していただきました。それぞれに独創的な研究であり食品分析学領域での今後の大きな展開が期待されました。また、ポスター発表には13題の発表があり、昨年度に引き続き、最優秀賞1題、優秀賞1題の表彰を行いました。ポスター発表では、イミダゾールペプチド、酒造好適米、セラミドアミノエチルホスホン酸、小麦スフィンゴ脂質、食用タール色素、干ししいたけ成分、低分子化合物の網羅的可視化、アルギン酸分解酵素、アケビ種子、納豆菌、メイラード反応生成物、クルミの栄養成分、油糧米成分などの分析に関して、大変に熱心な質疑応答がボード前でなされておりました。その後の交流会にも多くの参加者があり、親密感あふれる懇親の場となりました。

 総会では、事業報告・計画案、収支決算・予算案が審議され、全てご承認をいただきました。また、退任に伴い新たに2名の支部長と2名の評議員が選任されました。今後は、日本学術会議協力学術研究団体の認定を目指すことが承認され、会員数の一層の増強、支部組織の充実、機関誌の定期的発行を進めることとしました。なお、本学会の立ち上げから永らくご尽力いただいた前会長の田島 眞先生は、今年度から顧問に就任され役員会にもご出席いただきました。


2025年11月

日本食品分析学会
会長 宮澤陽夫